ショパン国際ピアノフェステイバル in ドゥシニキ

報告:ポーランド市民交流友の会 影山美恵子/写真提供:ショパン国際ピアノフェステイバル協会 (月刊「ショパン」10月号掲載)

  

2004年8当時のブレハッチ。いつも家族一緒に公園を探索していたという。

2004年8月6日から14日まで、ポーランド・ドゥシュニキで第59回ショパンピアノフェステイバルが開催されました。(芸術監督:ピオトル・パレッチニ教授)

1826年8月ドゥシュニキで静養中のショパンは、両親を失った孤児達のために、ここで2回のチャリテイコンサートをしました。そのコンサートを記念して、1946年、第1回目のショパン国際ピアノフェステイバルが開催され、今では世界最古の歴史あるトップクラスのフェステイバルとなりました。人口わずか6000人の静かなリゾート地は、大勢のショパン愛好家達がこのフェステイバルに訪れにぎわい、『20回の演奏会とマスタークラス』の世界ピアノ祭典は大成功を修めました。

世界各国からショパン邸へ

「ショパン邸宅」とよばれるコンサートホールは、長い並木道を歩いて行くと、色鮮やかな花や木々に囲まれた公園内にありました。

「ドゥシュニキの至るところで、世界のピアニスト達と毎日顔を会わせることができて、まるでオリンピックの選手村にいる気分!」と、参加した日本人留学生達は感激の日々。過去には日本からは中村紘子、遠藤郁子、小山実稚恵、横山幸雄、上原彩子をはじめ、世界で活躍中のピアニスト達がこのフェステイバルに招かれて演奏。今夏もそうそうたる演奏家たちが集結されました。

メモリアルセレモニーショパン像に献花

コンサートは、「アフタヌーン」と「イーブニング」の二部にわかれ、その様子は連日連夜ポーランド国営ラジオからポーランド全土に流され、またEBU局からヨーロッパ全域にライブ放送されました。「アフタヌーンコンサート」は、エリザベト、クリーブランド、ダブリン、リーズ、浜松国際など、過去2年間の12の国際コンクールの若き優勝者達が演奏。特にコブリン演奏のラフマニノフのソナタ2番には感動して泣き出す人達まで続出するという熱狂さでした。

熱狂の渦にコブリン

「イーブニングコンサート」では、「スター」といわれる円熟演奏者が魅惑の夜を演出しました。コンサートはいつも満席で、毎回「雷鳴の拍手と歓声」と感動の連続でした。『ノックターンの夕べ』は、貴重な比類なき演奏会でした。ホールの中央にヤマハとスタンウェイのピアノが2台置かれ、それらを囲むように観客達、演奏者に手の届く位置から演奏を聞くことができたのです。夜の22:00から3時間ノンストップ!トップバッターのラファウ・ブレハッチがショパンのスケルツオop.20を演奏、そして10人の演奏家(ジョン・オコーナ:プラームスの間奏曲、デニス・プロシャエフ:マズルカ、エヴァ・ポボツカ:ショパンバラードNo.3、コリン・リー:ショパン幻想ポロネーズop.61他)が7-13分くらいの小品を次々と演奏しました。曲と曲の合間にそれにまつわるエピソードが熱のこもった朗読者により紹介され、キャンドルライトの下で、それは真夜中まで続きました。

「今年もやはり素晴らしいコンサートの連続でした。必ず誰もがショパンの作品をプログラムに組み込むところが、このフェスティバルの特色です。ショパンの祖国であり、ショパンが演奏したこの場所で、色々なショパンの解釈と音楽に触れ、若き才能から成熟した世界的ピアニストに出会える。そのような場所は、そうそうあるものではない、と思います。」と、去年に引き続き2回目参加の大嶺未来さん(ポーランド留学生)は語る。

インタビューを受ける大嶺さん(左)パレチニ教授(中)山本貴志さん(右)

「マスタークラス」は、ジョン・オコーナ教授、ウラデイミル・クライネフ教授によって行われました。両教授の、全身で表現し、あらゆる比喩を使った生き生きとしたレッスンの聴講には、但昭儀先生を筆頭にピアノ教師や音楽学生、また今回の演奏者も聴講していました。受講生は芸術監督12年目のパレッチニ教授から選ばれた6名のポーランドの優秀な学生・若き演奏家達です。その名誉ある受講生は、ポーランド文化省の奨学生として招待されています。

「ドゥシュニキは、山や川に囲まれ、素晴らしいところです」と語る、ラファウ・ブレハッチは、2002年は家族と休日をかねてこのフェステイバルに出かけ、翌年2003年はマスタークラスの受講生に選ばれました。その数カ月後、浜松国際で最高位(2003,11月)を、カサブランカ国際(2004,1月)で優勝。それら功績が評価され、今年はファイナル演奏者としてショパンのエチュードのop10−7とop10−8等を演奏。「あんなに音楽的なエチュードは初めて聴きました。」、と会場総立ちでブラボーの歓声。

まるでショパン!ブレハッチ

「ドゥシュニキでショパンが弾けて嬉しく思います。僕にとって、ここは自然なままのショパン自身の姿が見える場所です。心を込めて演奏できました。」と3回のアンコール後に感動を語るブレハッチ。ショパンに明けショパンで暮れた祭典でした。

来年60回の記念ショパンフェステイバルには是非多くの日本人に参加していただきたい。

プログラムと演奏者

8月6日(金)20:00 オープニングリサイタル:ニコライ・デミデンコ

8月7日(土)9:30 マスタークラス:ジョン・オコーナ-教授

       16:00 リサイタル:福間洸太郎

       20:00 リサイタル:アンテイ・シララ

8月8日(日)9:30 マスタークラス:ジョン・オコーナ-教授

       16:00 リサイタル:セヴィリン ヴァン.エカルドステイン

       20:00 ピアノデイオ:ジェノヴァーデイミトロフ

8月9日(月)9:30 マスタークラス:ジョン・オコーナ-教授

       16:00 リサイタル:コリン・リー

       20:00 リサイタル:ジョン・オコーナ-教授

8月10日(火)9:30 マスタークラス:ジョン・オコーナ-教授

       16:00 リサイタル:デニス・プロシャエフ

       20:00 リサイタル:エヴァ・ポポツカ

8月11日(水)9:30 マスタークラス:ウラデイールミル・クライネフ教授

       16:00 リサイタル:マリウス・パテラ

       19:30 野外コンサート:ワルデマラ マリチキ クインテット

       22:00 ノックターンの夕べ             

8月12日(木)9:30 マスタークラス:ウラデイールミル・クライネフ教授

       15:30 若き演奏者のためのリサイタル:ラハエル・ワイ・シン・チェング チャン・ハオチェン  アダム・ゴルカ

       20:00 リサイタル:クリスチナ・オリツ

8月13日(金)9:30 マスタークラス:ウラデイールミル・クライネフ教授

       16:00 リサイタル:アレキサンダー・コブリン

       20:00 リサイタル:ブラデミラカライネフ.プリマ ヴィスタ クウオテット

8月14日(土)9:30 マスタークラス:ウラデイールミル・クライネフ教授

       16:00 リサイタル:ラファウ・ブレハッチ

       20:00 リサイタル:セルジェイ・ババヤン

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