アンジェイ・ヤシンスキ教授とテイータイム

(2005年ショパン国際ピアノコンクール審査委員長)

(聞き手:ポーランド市民交流友の会 影山美恵子)2004/5月号月刊「ショパン」掲載愛知県知立市内にて

★浜松国際ピアノコンクールでポーランドから新星が出ましたよ。

ヤシンスキ教授(以下J): ラファウ・ブレハッチですね。素晴らしい結果でした。彼はとてもいい子ですよ。

★浜松市とポーランドワルシャワは音楽文化協定を締結してから、毎年ポーランドから音大生が浜松国際ピアノアカデミーに招待されています。中村紘子音楽監督が、「ショパンの国なのにショパンが弾けない。」とぼやかれていたと聞きましたが、「ついにショパンの弾ける若者がポーランドから来た!」と言う感じでうれしいです。ところで、2005年のショパンコンクールは、書類審査なしにいきなり応募者は予備審査のためワルシャワで演奏するのですね。しかもプログラムは現地のくじ引きで選抜されますね。

J:そうです。新しい試みで期待もありますが、心配も大いにあります。応募者の滞在は長くなるし、その分負担も多くなるでしょう。われわれ審査員も大変になりそうです。応募者全員の演奏を聴くことになりますからね。

★パレツイニ教授は『1000人の応募者が日本から来る!』と心配していました。

J:私も心配です(笑)。中国、韓国、ヨーロッパからも、何人の応募があるかわかりません。前回は500人の問い合わせがありましたから、400人は聴く覚悟ですよ(笑)しかし、今まで通りの審査では、隠れた才能を秘めた若者を見つけるには問題があります。ビデオテープも編集技術で変造できますし、推薦状の中には、本人の演奏をぜんぜん聴かないで書かれているものもあります。国際コンクールの入賞歴も首をかしげるものもあります。1980年で1位に輝いたダン・タイ・ソンをごぞんじですか?彼の経歴は何もなかった。書類審査の審議で彼のことが問題になりました。そのとき、一人の審査員の『ハノイ音学院は優秀です、彼は才能があるかもしれない。』のひと言で決められました。彼が紙の鍵盤で練習したエピソードは有名ですね、最終本選に着るスーツすらなく前日に調達というほどの恵まれていない学生でした。コンクールは公正さを主張した信用あるものであるべきです。真に優れた新人を徹底に選び抜いていくものでなければなりません。

この審査方法は、ワルシャワショパン協会実行委員会とポーランド人の審査員会で決議しました。

時代の流れで新しいショパンを演奏するピアニストが登場しています。ショパンコンクールと名の付くコンクールは世界にたくさんあります。しかしこれほど厳しくショパンの音楽性、ショパンの原点が求められ制約されているクラシカルなのは、ワルシャワのショパンコンクールしかありません。

★そうですね、スメンジャンカ教授も「モダンショパンは聴きたくないとおっしゃっていました。」(笑)ポーランド人の審査員の比率が高すぎると批判されることもありますが、単なる国際コンクールではありませんから、当然ではないかと思います。外国で食べるどんなおいしいお寿司でも、日本のものと「微妙な違い」が分かるのは日本人だからだと思います。ショパンとお寿司を比べてはいけませんね、失礼しました。

J:僕はどこの国のお寿司も大好きですよ!(笑)

★(それにしては短期日本滞在なのに、ポーランドのコーヒー持参で、それしか召し上がらないのは、どうして?)

2005年ショパン国際ピアノコンクールが楽しみです。ガンバレニッポン!

テイータイム後

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「2000年ショパン国際コンクール会場から」


2000年ショパンコンクール審査発表するヤシンスキ教授(前列右)

2000年ショパンコンクールで審査席で(中央右)

☆2005年ショパン国際ピアノコンクール日程☆

会場:ワルシャワフィルハーモニーホール(ポーランド・ワルシャワ市)

9月23〜29日:予備審査 9月30日:予備審査結果発表

10月2日:開会式コンサート

10:3日〜11日:第一次予選

10月12日:第一次予選結果発表

10月13日〜16日:第2次予選

10月16日:第2次予選発表

10月17日:フレデリックショパン没後式典

10月18日〜21日:本選

10月21日:コンクール結果発表

10月22日:入賞者コンサート/10月23日:入賞者コンサート再演/ 

10月24日:入賞者コンサート再々演

ワルシャワフィルハーモニーホール

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